サーモンの刺身は「新参者」——日本でいつから食べられるようになったのか
回転寿司で人気No.1のサーモン。しかし、日本で刺身として食べられるようになったのは1980年代以降のこと。なぜ昔は生で食べなかったのか。養殖技術とアニサキス対策の観点から、サーモン刺身の歴史を紐解きます。
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回転寿司で人気No.1のサーモン。しかし、日本で刺身として食べられるようになったのは1980年代以降のこと。なぜ昔は生で食べなかったのか。養殖技術とアニサキス対策の観点から、サーモン刺身の歴史を紐解きます。
生魚を食べる文化は世界各地にありますが、刺身のように「切り身を生で食べる」スタイルは日本独自です。その背景には、島国の豊かな漁場、仏教による肉食禁止、氷室から冷蔵庫への保存技術の進化、そして日本刀の技術を応用した包丁文化がありました。
刺身の調理では「切る」ではなく「引く」という言葉が使われます。この背景には、武家社会で「切る」が切腹を連想させる忌み言葉として避けられた文化的な理由と、魚の組織を傷つけず滑らかな切り口を作る「引き切り」という包丁技術の2つの側面があります。
生魚の切り身を「刺身」と呼ぶのはなぜでしょうか。「切る」ではなく「刺す」という漢字が使われた背景には、武家社会の文化と魚の判別方法という2つの説があります。
刺身に醤油をつけるのは当たり前。でも醤油が庶民に普及したのは江戸時代後期から。それ以前は煎り酒や酢味噌など、魚の種類に合わせた多彩な調味料で楽しんでいました。